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2008年1月23日 (水)

読了『사랑후에 오는 것들』공지영

 コン・ジヨン『愛の後に来るもの』を読み終わりました。感想は…期待の範囲を超えない作品でした。…わかりづらい表現かな?^^;; 期待はずれでもなかったけど、期待を大きく超えて感動を得る作品でもなかったという意味です。

 このような評価になったのは、主人公の若い女性の描かれ方があまりにも主観的すぎると思ったからです。ただ、この作品は、主人公とストーリーがあらかじめコン・ジヨンさんと辻仁成さんとの間で話し合われ(1000通を超すメールのやりとりをしたそうです)、コン・ジヨンさんが女性からの物語を、辻さんが男性からの物語をそれぞれ描くという、特異な性格を持つ小説だということが前提としてあります。私の評価は、おそらくこの前提のために生じたのではないかと思いました。つまり、小説に新しい形を求めるために前提となったことが、この作品に思わず足かせをはめてしまったのではないか?という意味です。となると、コン・ジヨンさんの書いたものだけで、この小説についてうんぬんすることはフェアではないのかもしれません。2つの物語で一つの物語が完結するという性格を尊重するとすれば、辻さんの書いた男性からの物語を併せ読んでからでないと、この『愛の後に来るもの』の真価は問えないのかもしれませんね。

 ということを言っておいて、とりあえず、本作品の感想を述べてしまいますと…^^;;
 若い男女の恋愛の機微はうまく描かれていると思います。若い女性の、他の存在にまで思いを馳せることができない、純粋だけど利己的な感情はよく伝わってきました。「私も若い頃そうだったな~」とか思って(>爆) ただ、そこに韓国人・日本人というのが入り込んできたとき、それがなにか曖昧で、読者(私)の目には、その設定自体が不要なのでは?と映ってしまいました。それを補うべく、祖父や父の話が出てきますが、あまり深く描かれてないように思えて、設定自体に違和感を覚えてしまったのです。もちろん、日韓競作作品だからということ、事実、日韓の間の恋愛・結婚において、複雑な国同士の問題が持ち上がることはわかります。でも、それが何か感覚的に表現され、流れていってしまったように感じました。「祖父が日本嫌いで」とか、相手との感情に齟齬が生じたときに「だから日本人は!」という考えが浮かんでくるとかは、想定の範囲内でしたし、日韓の狭間でもがく男女を、感覚的にだけでなく、韓国人・日本人論的なものまで含めて、深く描くことができたら、もっと説得力のある作品になったのでは?と思いました。
 さて、今度は辻さんの作品を読みたいと思います。あ、ちゃんと辞書を引き引き、もう一度、本作品も読んでみたいと思っています^^;; わからない韓国語を飛ばして読んでいるせいで、この作品のよさを見逃しているかもしれませんし、また新たな感想が出て繰るかもしれませんので。

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コメント

親の代で結ばれなかった恋愛を子供の代で・・って映画の「クラシック」も「東京湾景」そうでしたけど今の日本人には馴染みのない考え方ですよね。恋愛ってもっと自己完結してしまうものだと思うし。私もちょっと余計な気がしてます。

実際に日本人と付き合ったり別れたりしている学生たちをたくさんみてるので興味深く読んでます。

投稿: たま | 2009年1月23日 (金) 18時09分

>たまさん。

こじつけてるとは思わないけど、
はじめに枠組み(日韓の恋愛)ありきって感じがして…。
日本だと本人同士の問題だからって思いますが、
韓国ではやっぱり親の存在なしでは語れないでしょうね。

投稿: nikka | 2009年1月23日 (金) 23時57分

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