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2011年1月21日 (金)

「冬の小鳥」を見てきました

 「冬の小鳥(原題;여행자)」を見に行ってきました。上映館(新宿武蔵野館)最終日で、朝イチの1回しかなかったので、もしかしたら観客は2~3人かも…なんて思いながらでかけましたが、意外に多くの観客が入っていましたup

*以下、ネタバレあります。

ストーリーは…
1975年。新調してもらったよそ行きの洋服を着て、9歳のジニ(キム・セロン)は大好きな父(ソル・ギョング)に連れられソウル郊外にやってくる。高い鉄格子の門の中では、庭で幼い子供たちが遊んでいる。ジニは父親と離され子供たちがいる部屋に通されるが、状況が分からず思わず外に飛び出してしまう。目に入ってきたのは、門のむこうに去る父の背中。そこは、孤児が集まるカトリックの児童養護施設だった。…

以上、「冬の小鳥」オフィシャルサイトより。

 父親に「旅行に行く」と言われて騙されるような形で孤児院に連れてこられたジニ。突然のできごとに、なかなか状況を受け入れられない彼女は、絶対に父親が迎えに来る、だからそれまで絶対にこの施設を出ない、と心に決めて日々を過ごします。最初は周囲の人間に心を閉ざしていましたが、やはり子どもだからか、徐々にお姉さん的な存在のスッキとは仲良しになります。この施設に入った子どもたちは、里親に引き取られることで自分たちの未来を切り開いていくのですが、必ずしも希望に満ちた生活が待っているわけではありません。喜んで施設をあとにする子どももいれば、希望する家庭ではないけれども施設にずっといることはできないという理由で仕方なく出ていく子どももいます。

 印象的だったのは、父親の顔が画面に出るのがたった1度だけだったこと。父親はソル・ギョングだからどんな父親を演じるのかと思っていたのですが、背中を見せているか子どもの目線でしか画面に登場せず、ある意味贅沢な撮り方だな~shine思いました。1度振り返ったのは、子どもを孤児院に連れきた場面のみ。それ以後、ジニは(>観客も)父の顔を見ることはありませんでした。

 それからジニが死んだ小鳥を埋めて作った墓を掘り返して、そこに穴を掘って、独りその穴に入り自分で埋まる場面がとても象徴的な感じがしました。ジニは無意識に自分の墓を作り、そこに今までの自分を埋めたような感じがしました。どんなことがあっても施設を出ていかない(父親をここで待つ)と思っていたジニも、結局、外国人家庭にもらわれていくことになりました。一人飛行機に乗せられ(ジニの養父母になる人たちは韓国には来ていない)、見知らぬ空港に降り立つところで終わります。

 全編にわたってジニの葛藤と孤独が、ほんとうに「淡々と」描かれています。子どもなのに、こんな運命を背負わされて…と、やりきれない気持ちにもなりましたが、こういった現実もあったんだろうな、と思います。孤児院の大人たちは普通にやさしい人たちだったし、そこで暮らす子どもたちも普通に生活していて、要らぬ感傷に浸らずにすみました。私の好きな感じの映画でしたconfident


*以前、たまさんのブログで話題になっていたことです。韓国では「孤児院」のことを「보육원(保育園)」って言うから、日本では普通の「子どもを保育園に預けている」というのを韓国語でそのまま言うと、「鬼母wobbly」と思われるってことだったんですが、今日の映画に「보육원」って出てきました。やっぱりそうなんですね。

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コメント

数日前に、「ぜひ見てください!」というコメントを書いたつもりが、どこかでミスってしまってupされてなくて気になっていましたが、ご覧になったとのことで、ほっとした感じです。
やっぱり、ジニが自分で土の中に埋まる場面はすごく印象的ですね。
「保育園」の意味については知りませんでした。(どーもどーも)
ハンフレットにも載っていましたが、以前は海外への<入養児(입양아.イビャンア)>がずいぶん多かったようですね。「国家代表」にもそんな青年が出てきてました。
私は「冬の小鳥」を昨年10月に見て、ブログにも感想を書いておきました。目を通していただければ幸いです。→
http://blog.goo.ne.jp/dalpaengi/e/cf2d480d007b502097a355eb7f880771

投稿: ヌルボ | 2011年1月21日 (金) 17時32分

nikkaさん、こんにちは。

私は来週見に行く予定です。
しっかり参考にさせていただきましたo(*^▽^*)o

投稿: いさ | 2011年1月21日 (金) 18時41分

この映画についてどこかで見たなぁ、と思ったらヌルボさんのブログで、でした。ベストテンの上位に挙げられていましたね。
今、朝日新聞でも里親制度について連載していますが、日本と韓国とで違うのは、日本から海外に養子に出る件数は少ないと言うことでしょうか。
私は来週「ハーモニー」を見に行く予定です。

投稿: ハーちゃん | 2011年1月21日 (金) 21時27分

>ヌルボさん。

そうなんですか?
なぜアップされなかったんでしょうね。
でもヌルボさんの思いは通じたみたいですwink
無理してでも見に行ってよかったです~。

投稿: nikka | 2011年1月22日 (土) 00時28分

>いささん。

いささんもきっとお好きな映画だと思います(>って勝手に想像…confident
先日見た「詩」もよかったですよ。
機会があれば、ぜひご覧ください。

投稿: nikka | 2011年1月22日 (土) 00時31分

>ハーちゃんさん。

ハーモニーって、キム・ユンジンさんが主役なんですねhappy01
おもしろそうですね。
また感想聞かせてください。

投稿: nikka | 2011年1月22日 (土) 00時39分

映画見たいと思いつつも、東京まで行かれなくて。。。
「冬の小鳥」も何かのPRを見ました。
「ハーモニー」は韓国語の先生が一押しの作品で、違法で30分だけ見ました。
見たいな。。。

投稿: テラ | 2011年1月22日 (土) 22時51分

>テラさん。

そっか~。たしかに相当興行成績が見込めないと、
全国に配給されるのは難しいですもんね。
でも4月頃、この映画は長野にも行くみたいですよ(3か所)flair

投稿: nikka | 2011年1月23日 (日) 22時24分

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