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2012年5月27日 (日)

『무방향 버스(無方向バス)』 p222,12行目~p226,3行目

アップが遅くなりすみません。

今回は、感想を書きます~happy01

 この作品は、「母親が失踪する」ということで、やはり「母をお願い」を思い出しました。でも、なんで家族の中で消えるのが「母」なのでしょうか。そもそも家族の中で、一番消えそうにない、一番日常生活から脱落しそうにないのが「母親」の存在ですよね。父親って、いなくなってもなんとなく何かしらの理由があるような気がするんですけど、母親が消えるって、やっぱり只事じゃない気がしますよね。残された場所に相当の欠落感が生じる気がします。


 「僕」は、なぜか「大きな帳面」(큰책…最初「大きい本」と訳していたのですが、書き込みをしたり、破いてメモ替わりにしたりしていたわけなので、「本」だとおかしいと思い、「大きな帳面」にしました)の紛失(?)と母の失踪が関わっている気がして仕方がなく、その2つが関連しているとしたらとんでもないことになると予感しています。たぶん母は二度と帰ってこない気がしたのでしょう。

 「僕」にとっての「母」=「大きな帳面」として考えると、小説の冒頭からずっと、「大きな帳面」が母の存在と重なるような書き方がされている気がしました。彼が中学のときにこの帳面をもらって以降、最初は「大きな帳面」にベッタリだったのに、徐々に心が離れていくところとか、離れていきながらも時に思い出しては帳面を取り出したり、下宿の大きさと帳面の大きさを比べて、心理的にいかに帳面が大きなものとして自分の中に存在するか考えたりするところが、「僕」の中の「母親」の存在そのもののように思えました。

*この小説のサブタイトル「리믹스,고아떤 뺑덕어멈」って何だろう?と思い、検索したのですが、金昭晉(김소진 キム・ソジン)という小説家(1997年没)に「고아떤 뺑덕어멈」という小説があるんですね。キム・ソジンは1963年生まれということなので、夭逝した小説家のようです。「리믹스(リミックス)」って音楽用語では「編曲」的な感じだと思いますが、小説で言うとリメイクなのかな? この本はすべて音楽に関連づけられているから、「リミックス」となっているんでしょう。(このあたりのことは、本の巻末の解説にいろいろと書かれているみたいです。あとで読んでみますcoldsweats01) キム・ソジンさんへのオマージュとして書かれたものなのかもしれません。

http://www.yes24.com/24/goods/56267

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コメント

おそくなりましたがコメというか感想を・・・

nikkaさんの「母が消えるとは只ごとじゃない」って・・そうですよね。母ってやっぱり家の中にいて当たり前って感じありますよね。
母は子供を置いて。家族を置いていなくなるって考え、あんまり「ないですもんね。。。

>「僕」にとっての「母」=「大きな帳面」として考えると~

なるほど~
そういうとらえ方があるんですね^^
私は「大きな本」は僕と母を結び付けてるものとして考えていたのですが・・・
なんか
nikkaさんの解釈を読んで「なるほど~」って思いました。

15日楽しみにしてますね~

投稿: ippoyo | 2012年6月11日 (月) 21時54分

>ippoyoさん。

自分が母だからかな~。
家族を置いて…っていうのは、相当なことですよね。
どんなに夫や子どもとケンカしても、
すぐ後には「明日の朝ごはん何にしよう…」とか考えちゃったりしてね。
情けないっていうか、笑っちゃいますよcatface

投稿: nikka | 2012年6月14日 (木) 19時59分

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