「魔王(마왕)」第20回
*「魔王(마왕)」第20回 [最終回] のあらすじ&感想など…(ネタバレあります)。
階段から落ちたヨンチョルは、肘にひびが入った程度のケガで済みました。病院で気がついたヨンチョルはカン・オス刑事(オム・テウン)に向かって、悪びれるふうもなく薄笑いを浮かべながら「スンギが死んだんだって?」「誰がスンギを殺したんだ?」と言い放ちます。
カン・ドンヒョン議員から電話で呼び出されたオ・スンハ弁護士(チュ・ジフン)。カン議員はオ弁護士の正体をキョン社長から聞かされて呼び出したのです。そして12年前のことは、親として最善を尽くしただけで、間違っていなかったと話し始めます。しかし、オ弁護士は「それが許せなかった」と言います。カン議員は息子のために…と言うが、同じように大切な息子を奪われた母親がいたことを徹底的に無視し、踏みにじった。それが一番大きな罪だ、と。
兄のカン社長がやはり怪しいと思ったカン刑事は、兄のもとに行きます。当然、カン社長は自分の仕業だとは認めませんが、弟が自分を疑い、その疑いが確信になっていることを悟り、「もし自分が犯人だとしたら、お前はどうするんだ?」「俺たちは兄弟だろ」と弟に訴えかけます。カン刑事は「兄さんが遠くに逃げてくれたらいいと思う」と言いながら、次の言葉を残し、立ち去ります。
하지만 난 누구보다 잘 알아. 사람은 과거를 잊어도 과거는 사람을 절대 잊지 않는다는 걸.
(でも、俺は誰よりもよく知っている。人は過去を忘れても、過去は人を絶対に忘れないということを)
ヨンチョルの怪我を知ったオ弁護士は、ヨンチョルを説得して海外に逃がそうとします。でも、もうヨンチョルは耳を貸しません。最初は、オ弁護士の方が「兄へのすまなさを必ず返すと言ったよな? いいチャンスをやる」と、ヨンチョルを計画に引っ張り込み操ってきたけれど、ヨンチョルは徐々にすべてが自分の思い通りに事が運ぶとことに陶酔して、もうオ弁護士の操り人形ではなくなっていたのです。そしてオ弁護士の心配をよそに、自ら警察に出頭するというさらに挑発的な態度に出ます。まさかファン・デピルが警察に加担するような態度に出ているとは知らずに…。しかし、カン刑事に送られてきた写真に写った傷とヨンチョルが持っていたカメラの傷が一致するとは明確には鑑定されず、結局、ヨンチョルを逮捕する決定的な証拠は見つからずじまいになってしまいます。
ついにカン・ヒス社長の命令を受けて動いていた人物が拘束され、カン社長に依頼されたことだと白状します。カン社長は逮捕され、警察に連行された兄を見たカン刑事は泣き崩れます。家に帰ると、父親のカン議員が居間でただ一人、座っていました。
난 이 세상에 모든 사림이 행복해 질 수 있는 일은 없다고 생각했어. 누군가의 행복 뒤에는 반드시 누군가의 불행이 있기 마련이지. 그건 어쩔 수 없는 세상이치라고, 그래서 강한 자가 살아남는 거라고 강한자만이 행복해 질 수 있다고 생각했었다. 그게 내 아들들의 행복을 지켜줄 수 있는 길이라고 믿고 있었다.
(私は世間のすべての人間が幸せになれることはないと思っていた。誰かの幸せの裏には必ず誰かの不幸があるものだと。それはどうしようもないことで、だから強い者が生き残るものだと、強い者だけが幸せになれると考えていた。それが息子たちの幸せを守れる道だと信じていた)
これが父親の最後の言葉となってしまいました。カン議員は心臓発作で世を去ります。そして、すべてを失くしたカン刑事からの電話を受けたオ弁護士。向かう先にはカン刑事がいます。ところが…車に乗り込もうとしたとき、オ弁護士は何者かによって刺されてしまいます…。(犯人は、ソラオンマの裁判のとき傍聴席にいた若者です。おそらく、殺されたテシクの弟ではないでしょうか? 12年前の自分と同じ状況に立たされた少年に奇しくも刺されてしまったわけです。)
そして二人は12年前の因縁の場所へ…。すでにわき腹を刺されて瀕死の状態にあるテソンと、精神的にボロボロになってしまったカン・オス。テソンの筋書き通り、望むとおりにこの一連の復讐劇を終わらせるには、カン・オスが復讐心によってテソンを撃ち殺すしかなかったわけですが、カン・オスはそうしません。でも、結局揉み合いになった末に、テソンはカン・オスを銃で撃ってしまいます。
살아줘…. 있는 힘껏 최선을 다해…. 살아,태성아.
(生きてくれ、力の限り最善と尽くして)
용서해라 나도 너도….
(許してくれ、俺も、お前も)
これがカン・オスの最後の言葉です。そして、二人を見つけるヘイン。あまりにもむごい場面です。彼女はこの現実を抱えて生きていかなければならないのです。
<終わり>
*実際に、自分が殺人事件の被害者家族になったとき、あまりの辛さに、犯人に対して復讐したいと一度は頭に浮かぶかもしれません。しかも法律で裁けないとなったとき、その犯人を許せるという人は少ないでしょう。でも、このテソンのように自らの手で復讐したとしても、それで犯人から与えられた苦痛は本当に消え去るのでしょうか? このドラマでは、答えはNOです。却ってテソンの苦悩は深まり、何の解決にもならなかったばかりか、さらに悲劇を広げただけでしたから。…非常に重いドラマでした。このドラマがもちろんフィクションだとしても、非常に感情を揺すぶられたし、いろいろと考えさせられるドラマだったことは間違いありません^^
あ、この「魔王」が日本でリメイクされるそうですね!(以下、ネット記事より引用)
人気グループ、嵐のリーダー、大野智(27)が7月スタートのTBS系「魔王」(金曜後10・0)で連続ドラマ初出演&初主演することが8日、分かった。ジャニーズJr.の生田斗真(23)とW主演。作品は昨年、韓国で放送された人気サスペンスドラマをリメーク。大野は肉親を殺され、復讐(ふくしゅう)を企てる弁護士役に挑み、新境地を見せる。
キャストについて、友だちの間で話題になってるんですけど、オ弁護士役の大野君は大変ですね…^^;; 見た感じがほんわか、温かい人なので、あの冷徹なオ弁護士の感じをどう出していけるのか…未知数ですね。若干ストーリーは変わるんでしょうが、あれだけ綿密なストーリーをどう脚色するのか、それも気になるところではあります。
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