2017年12月 5日 (火)

書評の楽しさを知る

今年に入ってずっと編集作業に関わっていた『朝日書評大成』。
上巻が8月に出版され、この度下巻が11月下旬に出版されました

上巻は2001年〜2008年、下巻は2009年〜2016年の「朝日新聞」読書欄に掲載された書評が集められています。

一昨年、共同通信社の書評をまとめた『書評大全』の編集にも関わりましたが(その本の記事)、今回朝日新聞紙上で取り上げられた本には、共同さんで取り上げられていた本とは違う傾向があるように思いました。

教養が身につくような本、大衆受けはしないかもしれないけどその分野では重要な本(普遍性のある本)が書評対象として多く取り上げられている印象です。

小説ばかり(特に最近はミステリーばかり)読む私などは、書評を読んでもなかなかすっと内容が入ってこない場合もあるのですが(←教養のなさが原因)、逆に未知の学問に興味を持つ契機となるような書評もあります。書評を通して、7000冊の本に触れることができました

ぜひ、図書館などを通じででも、本書を手にとってみてください!

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2016年11月26日 (土)

プログラミング?

小学校の授業で、「プログラミング」が必修化するとのことなんですが…。

プログラミング? 小学生が何するの?…という、そこの貴方!!

いつもお世話になっている版元さん(三省堂)で、

小学生の授業で行われるプログラミングについての入門編となる書籍が発売されます。

それに合わせて、青山ブックセンターでイベントがあるそうです。

『小学校にプログラミングがやってきた! 超入門編』刊行記念
夏野剛 × 中釜由起子 × 上松恵理子トークイベント
http://www.aoyamabc.jp/event/programminginschool/

ご興味ある方はぜひご参加ください

※プログラミングも重要かと思うのですが、子どもにはお金についての授業がとっても必要かと思っています。
例えば貯蓄や投資など、学校ではまったく教えられませんよね。
年金などへの関心の低さにも影響していると思います。
将来必要になることについては、フレキシブルな授業をやってほしいですね

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2016年9月19日 (月)

あまり気にしてなかった発音ですが…

韓国語を真面目に(?)学習していたときからそうでしたが、私はネイティブと話す機会というのがほぼなく、自分の韓国語の発音について振り返るシーンは皆無でした。

それが、このたび前田真彦先生の「韓国語の発音変化完全マスター」の編集をお手伝いすることになって、編集作業をしながら、今までおざなりにしてきた「私は発音が下手」という事実を目の前に突きつけられた感じでした

一冊読むと、あらためて韓国語の発音変化のバリエーションの多さと難しさがわかると思うのですが、一方でその変化というのは非常に理にかなっていることも理解できる内容になっています。

難しい発音変化はともかく(>この「ともかく」というのが問題っていうのもわかっているのですが)、基本的な激音と濃音の違いなどをあらためて意識するようになったのが、非常にプラスになったと思います。

といっても、私の場合はネイティブと話す機会がないので実践できないな…と思っていたのですが、この本を編集後に韓国ドラマを見ていると「あ、やっぱりそうなんだ!」と、発音の変化に気がつくことが多かったんですよね。なので、おそらくリスニング力も高められる一冊になっているんじゃないでしょうか

発音練習は筋トレと同じく、声に出してやったらやっただけ身になるものなので、繰り返しの練習が必要ですね。学習中の方、ぜひチャレンジしてみてください!


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2016年7月22日 (金)

翻訳物に挑戦!?

大学生になってから読書の楽しみを知りました。

高校2年くらいまでは全く本に興味がなく、親が買ってくれた「世界文学全集」のようなものも、結局家の書架の飾りになっていたのを覚えています。本を読むのは、まあ夏休みの読書感想文用の本くらいだったかな…

3年生になってから、国語の先生がとても素敵な人で、なんていうか自分が見える世界を広げてくれたんですよね。それで、進学先も文学部にしたのですが、その先生の影響で図書館で本を借りるようになりました。自分が借りようと手に取って本の後ろの読書カードを見ると、その先生の名前があったりすると、なんとなく自分が賢く大人になったような気がしたものです

学生生活中、必要に迫られて読書をするようになり、仕事も活字の世界だったおかげか、どんどん活字中毒になっていきました。読むのは、ほとんど日本人作家の小説ばかり。一時期は一人の作家の本を網羅的に読んだり、それに飽きると、全く名前も知らない作家に手を出したりといった感じで、今日まで来ました。

ずっと海外の作家は避けてきました。なぜなら、語学ができないので翻訳で読むしかできないし、それでその小説が気にいらない場合、本当にその作家の作品が気に入らないのか、翻訳のせいなのかわからないので、それが嫌だったのです。

韓国語は原本を読めるようになったのでよかったのですが…。(といっても、読んで100%の理解は無理で、たぶん辞書がないと読み進めることはできない程度の実力しかありませんが…

それが、2か月ほど前から、翻訳本を読むようになったんですよ。きっかけは、ピエール・ルメートルの『悲しみのイレーヌ』の書評を偶然読んだからでした。書評を読んで、読んでみたいと興味が沸いたんですね。

『悲しみのイレーヌ』…最後が衝撃的でした。というのは、(ネタバレになるので少しにします)ストーリーが…というより、小説の構造が衝撃的だったんです。非常に実験的というか。それに気が付いたとき、思わず「えー!!!!?」って声が出ちゃいましたもん(笑) それで、引き続き同じ作家の『その女、アレックス』を読みました。これは、まあ面白かったという感じです。

ただ、読んでいて、「これはいかん!」と思ったことがあって。…それは、私はカタカナが苦手っていうことです(爆) 小説に出てくる登場人物の名前、地名、会社名等々、すべてカタカナですよね。しかも、ある登場人物の名前が、ファーストネームだったり、ラストネームだったり、あだ名だったり、職名だったり…こうなると、もう私には混乱しかありません。それで何度も冒頭の人物紹介のページに戻りながら読まないといけないわけです

今読んでいる小説も、名前が長ったらしいし、主人公とほかの登場人物の名前が似ている(カタカナにすると似ている)ので、すぐにわからなかったりして…。カタカナに弱いっていうのが、翻訳本を読むうえでネックになるなんて、今まで気が付きませんでした(苦笑) 数字とカタカナに弱いという、私の弱点がまた露呈しましたね。

しばらくは、頑張って翻訳ものにチャレンジするつもりなのですが。今読んでいる『ミレニアム』は、世界的にヒットした小説とのことで読み始めたのですが、文庫で8冊もある長編なので、どこまで読めるのか…心配です。

  

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2016年7月13日 (水)

また困っています…

今、書籍の索引を作っていて。

また困っています。

何をか…。

「日本●●」というとき、これは「にほん」なのか「にっぽん」なのかっていうこと

結論から言うと、「どちらでも間違いではない」のですが。

同じ「日本●●」をどう読むかについての記事↓
http://www.tv-asahi.co.jp/announcer/nihongo/labo/lab_013/body.html
アナウンサーでも困ってるってことです。

たとえば
日本語、日本銀行、二刀流(←大谷君ね!)、ニノ(←二宮君ね!)という単語を
索引で並べるとすると……

日本銀行(にっぽんぎんこう)→二刀流(にとうりゅう)→ニノ(にの)→日本語(にほんご)となるか、

二刀流(にとうりゅう)→ニノ(にの)→日本銀行(にほんぎんこう)→日本語(にほんご)となるか、

並び順が変わるじゃないですか!

だから困っています。

いつも困っています。

外国人から見て、「日本」っていう国の名前(読み方)が、
「にっぽん」でもいいし、「にほん」でもいいっていうのって、どうなんでしょう???
「まあ、日本は八百万の神の国だから、そういうこともあるだろうさ!」って思われてるのかなあ。
せめて国名だけでもどちらかに決めてほしいかなあ。>個人的には。

…仕事に戻ります

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2016年6月16日 (木)

重版出来!終了〜。

火曜日、TBSの「重版出来!」が最終回でした。
出版界を描いたドラマだったし、マンガの方を少し読んだことがあったので、毎回見てました。
主人公を演じる黒木華が私のイメージとは違っていたので、ちょっと入り込めなかったのですが…(私のイメージは能年玲奈でした)。
でもドラマを見ながら、出版界あるある、出版社あるある、編集者あるある、が存分に楽しめました。

一口に出版界といっても、出版社から取次から書店からいろいろあるし、また編集者と一口にいっても、どんな本を作っているのかによって、仕事内容が全く異なります。私はほぼ書籍のみなので、その本に関わるスパンがすごく長いのですが、週刊誌なんて毎週毎週締切が続くわけですよね…。考えただけでも疲れます。その代わり、担当が細分化されているのでいいなあと思うこと、あります。書籍はぜ〜んぶ一人でやらないといけないので。ま、それが醍醐味というのもありますが。

ドラマのタイトルになっていた「重版出来」は、やはり編集者の一番の活力源なんですよね 担当した本の中には残念なことに重版がかからない本もあるのですが(必ずしもその本が内容的によくなかったというわけではなく)、出版社の担当者から「重版かかりました!」という連絡をいただくと、やっぱりすごく嬉しいものです。中には10回以上かかる本もありますし。本が出来た時点で、その本を作るうえでのさまざまな苦労はどこかへふっとんでしまいますが、重版がかかったとなると、あの苦労も報われたなあ〜としみじみするものです 衰退産業のように言われる出版界ですが、それでも本はまだまだ読者の方々に益になるようなものを伝えられるコンテンツであることは間違いないので、これからも本作りに精を出したいと思います〜。

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2015年4月 8日 (水)

『書評大全』のご紹介

今日は雪が舞う、とっても寒い一日でした。
近所の小・中学校は入学式だったのに。大変でしたよね。

2月末に、終わったお仕事のこと、少しご紹介したいと思います。
(早く記事書きたかったのだけど、それもまたできなくて…。もう4月ですね…。)

三省堂さんから刊行されました『書評大全』です!

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A5判、2560ページ!で、16,500円(税別)です。

共同通信の署名入りの書評を一冊にまとめました。
1998年3月~2014年3月末まで、16年間の書評で、掲載書名約5000点、評者約1600人です。

“書評から見る文化史大事典”とキャッチコピーにあるように、書評を読むと、その時代を彷彿させますね。

編集をしながら気がついたこと。それは…

「日本はアメリカばかり見てるんだな~」ということ。

アメリカに関する本の書評がものすごく多いんです。
もちろん、小説から何から、ジャンルを問わず、さまざまな書籍が評されているのですが、
とにかく国で言うと、取り上げられ率はアメリカがダントツです。
当然と言えば当然なのかもしれませんが、もっと他の国を見ようよ!!って思わず言いたくなるくらいでした。

書評を読んで、「ぜひこの本を読んでみたい!」と思うものもかなりあって、
編集作業をしながらピックアップしてました

かなり高価な本になったので、個人での購入は難しいかもしれませんが、ご近所の図書館にリクエストしてぜひ手に取ってみていただきたいです。

本好きな人のTwitterのツイートには、「膨大な書評を1冊にしたことで、資料的価値がある」とか、「今のご時世でよくこんな高価な本出したな~!!」とか、そんな感想がたくさん上がっていますが、本当にそうだなと思います。なかなか簡単には出せない本です。さすが三省堂さんです


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2014年6月27日 (金)

『現代ジャーナリズム事典』刊行!

「舟を編む」の記事のところで、ちらっと触れていたのですが、昨年からず~っとかかりきりだった事典が刊行されました

『現代ジャーナリズム事典』(三省堂)です!!

ジャーナリズム全般、広範囲から見出し項目を拾っていますので、読み応えは十分にあります。事典ですが、普通に頭から「単行本」として読んでもらっても面白いと思います。各見出し項目について、その専門の執筆者(ジャーナリスト、新聞記者、研究者、法律家…)が書いているので、説明の視点もそれぞれに面白いと思います。

三省堂のサイト→http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/dicts/encyc/journalism/

刊行を記念しての、シンポジウムが行われます。ご興味ある方、是非ご参加ください。(入場無料)

…あ!! このシンポは今週土曜日…つまり「明日」です!!(告知が遅くてごめんなさい~)

●「ジャーナリズムの今 直面する危機をどう乗り越えるか」
専修大学で14時~16時30分です。(下記にチラシあります)

http://www.sanseido-publ.co.jp/publ/dicts/predjrnlktn/pdf/predjrnlktn_evnt.pdf

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2013年6月13日 (木)

『見えない文字と見える文字』

 あまり韓国語に関する話題がないので(苦笑)、最近のお仕事についてチラッとご紹介したいと思います。昨年秋頃から3月頃までに、編集に携わった本が7冊ほど出ましたが、その中でオススメの一冊です。

 三省堂さんから出ました『見えない文字と見える文字』(佐藤栄作)。
 この本は、一言でいえば、文字(日本語)の字体研究なのですが、研究でありながらとても読みやすく、内容がとっても面白い本です。

 みなさん、もとは日本のお菓子や製品が逆輸入品となっている商品に載っている説明書き、見たことあります? 明らかにもとの商品に載っていた説明書きをそのまま使ってるみたいなんだけど、間違いだらけでまったく意味不明な日本語になってるもの、見たことありませんか?

 たまたま今、私が着ている上着のタグに、made in Cambodiaと書いてあるんですけど、その横に日本語で「カソボヅア製」って書いてあるんですよ …「ん? カソボヅア製…?? …カンボジア製でしょ!?」って思わずツッコミ入れましたが、要するに、こういう類の間違いです。

 なんで「カンボジア」が「カソボヅア」になっちゃってるのか? 笑いをとるには十分だけど、理由はさっぱりわからない。カタカナだから簡単だし、間違いようがない気がするんだけど…?? …その間違いの理由が、この本の中に書いてあります!

 このような事象以外にも、文字の字体に関わるいろんなことを分析していて、読みながら目からウロコ、「なるほどそういうことなんだ~!」っていうことが、たくさん盛り込まれています。個人的には、文字を習い始めたくらいの幼児が書く「鏡文字の秘密」…も面白かった。

 よろしければ、読んでみてくださいね

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2013年3月 3日 (日)

間に合ったよ~ん!

今日は 『개를 산책시키는 남자』の第1回目の翻訳アップの(一応の)締切日。

1~2月が、どうにもならないくらい忙しかったので、
もしかしたらアップは断念するかも…と思っていた1週間前。

でも、なんとかできました

これから、この翻訳の会の参加者同士で、
感想やら疑問点やらをいろいろと話をするんですが、
いや~、擬態語、擬音語が多くて参りました。
あと、単語の語頭の文字が激音に表記されるもの。
辞書で調べてない(探せない?)ものも結構あったし。

でも、話は面白かった!!
読み始めは、話がちょっと変な路線(…説明しづらい)なのかな~?と思ったけど、
徐々に面白くなってきました。

まあ、ともかくアップできてよかった、よかった。

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